痛い 体の中が 縛られる 心臓に悪い
ジゼルが死んだのもわかる
私の思いは 命がけなんだよ
あの時も 命がけで断ち切ろうとした
魂がかかってる
でも引き裂かれてるから
体がジリジリと焼けていく
胸と頭が締め付けられてる
これが始まりか終わりか
詩、みたいに思えるものを 初めて書いている
言葉を紡ぎ出すのではなく 勝手に絞り出てくる
湧き出る、ではなく 絞られて出てくるから 痛い
体で感じてるほんの一部を表す 言葉
たぶらかされて死んだだけのジゼル
冗談みたいな運命
お腹がよじれるように痛い
言われなくても「断腸の思い」
大丈夫 私を悶死させない責任を負うのは あなたじゃない
あなたのために死を選ぶほどではない いまのところは
でも この苦しみを あなたが与え始めたものを
取り除いてよ
逃げないで
私は逃げているのをやめたから
それを 9年もかかって ついさっき 伝えたのに
体が震えてる
もう魂が覚えてる あなたのことは
私の魂から奪ったもの 返して
もう 夢にあなたが出てくるのを止めて
体を震わせるどんな悪夢よりも、目覚めたら胸が痛い
私の心の現実
ジゼルの痛みが 誰よりもわかるかもしれない
会ってくれなかったら 返してくれなかったら
壊れたレコードみたいに ジゼルのビデオ ずっと見るから
私の人生だとは
一番理解できないと思っていた ジゼルの物語が
フィジョアの実が積まれたボウルの横で 筆を走らせている
かぐわしいはずの香りが 救いにならない
虐げられる春に 私を喜んでくれた
あなた 次の春 何も残さずに
罪深いよ 何も残ってない私の心に刻んだ
傷だよ 喜びじゃなくて
一番痛いよ 返してくれないのが
愛してくれる人 取り戻したって 思ったのに
だからだったのか 見つけたと思った安心が 霧だったから
歳だけ大人になってしまった ただ青い 私
やっと心に向き合って 傷に気づけた
そう そのまま 奪ったまま 私の魂の一部になってよ
こんなの 幼い ぐちゃぐちゃ
ひとりで持っておくしか ないよ
他の人にはわからないから
私から奪われたものと その傷が
だって……私のことを喜んでくれるの みせてくれたの
あなたが初めてだったから!!
心を少し預けてもいい人として
たわいもない会話をする友人への喜びとは違う
そのまま ぶつけよう 会えたら
「ねえ なんで 私のこと 喜んでたの?
男とか女とか関係ないから
人として 今聞いてるし あの時もそうだったし
何を私に見せつけたか わかってる?
勉強だか敵討ちだかなんだかのためって 言ってちょうだい
とっくの昔に 私への関心など消えていても」
私は虚像にしがみつきすぎたの ジゼルのように
他の人には想像もできないほどの力でね
寄りかかるものが なかったから
もう 2幕を生きられるかな
愛と 許す世界
「私はしがみつきすぎました
自分の心で わかっていた以上に
なんでここまで あなたが鉄槌になるほど
しがみついてしまったのかしら
私の方こそ愚かよ ごめんなさい
苦しみだけを置いていってしまった私を」
ジゼルの心は そんなだったのかも
「せめて 今は 愛と許しだけで踊らせて
虚像も何もない今を
私の魂は『ある』から」
極限まで追い込んで 心を歪めて
何のためにもならない 「最大瞬間風速」を出そうと
勉強に追われたのも
それであなたのプライドか何かを傷つけたのも
私に何もなかったからよ
「ありのまま」のほうを与えてくれそうだと
現実にしか見えない幻を見せた
当然の因果
今になってわかった仕返しよ
私の痛みも 病気も 残りの人生の時間も
あんたに捧げようか 私に捧げようか
私は恋愛感情がわからない
ただ 私の心を返せってだけ
尊厳を奪ったのだから
あなたは まるでトラウマに似た痛み
夢も全部、悪夢で
一番ひどい傷を置いていった
「お前を大事に思っているなんて幻想だ」って
どんなひどい言葉よりも ひどい
親が幼子に与えるような
一番傷つけたらいけないところを
あの空間の中で 一番脆かった人間を
あなたの、勉強のため、ごときに……?
精進の道のりに利用しようという、喜び……?
踏み台にしたのか 病人を
私はまだ 1幕の終わりにいる
死ぬまであと数分の 狂乱
心ここにあらず
9年目 だけど 今 狂いのピーク であることを祈る
かわいいはずの猫が あっちの世界にいる
熱が出ている 心が無理しすぎて
誰よりも残酷に 私を突き放す人に 向かい合っているのだ
『ジゼル』って 死んじゃうのは重すぎるけど
人殺すよって話
むしろそのまま生かされてるほうがきついよ
あなたが私に何を見出したっていうの
「なんであんなことしたの」って
勇気出して聞きに来てるだけ
あなたは私が憎かった それだけはわかっている
コメントを残す