私は 君の知らないこの痛みを背負って
君なしで 生きていかなければいけないんだね
私は果たして まがりなりにも君を見つけたから これまで生きてこられたのか
それとも実は 君という支えが全くないまま 自分の力で十年も歩いてきたのか
私が乗る危なっかしい自転車
その後輪を君が支えてくれていたのか
ずっと昔にその手は離れ いや 触れたことすらなく ひとりで進んでいたのか
さっぱりわからない
私には見えていなかったから
確かなのは
自転車をこぎながら 何度も 転けて道に放り出され
手足のあちこちをすりむいて
みじめに倒れた姿に恥を覚え
億劫なことばかりしてくれる自分にうんざりするとき
私の心に浮かび
ひとりじゃないと
少しも恥ずかしくないと
傷ができている、大変だと
一途に心配してくれるお母さんのように駆け寄り
安心だけを覚えられる眼差しで包んでくれる
そんな君がいたことは
立ち上がるための支えだったことは
一度もなかったこと
ずっと私の心の中に住んでいたとは言えど
君は その中でも 荒涼として一番寒いところに住んでいたこと
コメントを残す