「ジゼル」のモノローグ 2024/11/6

朝目覚めたときから、体がふるえて、熱が出る

この苦痛を、私の「ジゼルの物語」として 紡いでみる

そこで打ち砕かれるのは恋心ではなく、人の尊厳

ジゼルは命懸けだった

安心できる拠り所という人間の尊厳がかかったところを

たったひとりに委ねきっていた

雪の降る日に家を追い出され

そこで出会ったアルブレヒト

優しく私を歓迎してくれたようだった

この人は、私を人として大事にしてくれるかな?

周りに友人やご近所さんはわんさかいるけれど

家の壁の向こうで虐げられる私を知ろうとする人はいなくて

皆私を置いて去る

“People talking without speaking

People hearing without listening

People writing songs that voices never share

No one dare

Disturb the sound of silence”

“The Sounds of Silence” Simon & Garfunkel

アルブレヒトには 私を一生の恋愛相手に選んでほしかったんじゃない

身分違いの世界へ 二度と会えないところへ

心の拠り所だと思っていた人が消えていってしまうことの

重みと衝撃

尊厳をかけてアルブレヒトのもとに走っていったら

以前のように抱きしめてくれた けれど

これは虚像だという現実が ものすごい鉄槌で

その一撃で心臓が止まった

死ぬつもりはなかったのにな

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