(前回の投稿)
私は私を愛することしか知らない。
自分をジャッジもしない。
心地よく安全に過ごすことを空気のように必要としている。
ひどいこと言われたら、されたら、全力でひどいって言う。
自分が実際にやった失敗を理解して素直に反省はしても、自分はだめだと思ったり、ひどい言葉を浴びて自分で受け入れたりなんてしない。
そのままの私でいるだけで何も不安がない。
パートナーが必要だともさらさら思わない。
dress to impressなんて知らない。
鏡の前に立って、自分を愛することしか知らない心で、笑ってみて!
「怖い」「不安」「恐怖による緊張」に支配されて本当につらかったね。そんな扱いを日常的に受けているのに、それをなかったことのようにして普通にケアされて扱われる時間、素直に優しさを受け取って安心するなんてできなかったよね。
周りにひどいこと言われる辛さだけじゃなかった。
私が、あなたにその毒を飲ませたね……
ひどい言葉は聞かなくていい、ひどい接し方されていい筋合いなんて一切ないって、お姉さんがやっと学んだから、あなたを抱きしめて守ってあげるから、あなたは「ひどい、こわい」って素直に思いきり泣いていていい。
小学校のリラもしんどかったけど、中学校のリラもおいで……本当に辛かったね、あなたが一番私に毒を飲まされたね……小学校までが、恐怖と自分の至らなさ、自分を肯定していてはいけないということをこれでもかと植え付けられた期間で、その素地があったうえで、中学でもっと凄惨な暴力を受けながら、否定の言葉をひとつひとつ、私があなたに飲み込ませてしまった。
何歳のリラでもおいで。
いろんなものが刺さって、それはいくつになっても辛いもので、世界が全部疑心暗鬼になったね。
私が毎日、あなたの体についたほこりと棘を払ってあげる。
そして何度謝ったらいいのかわからないほど果てしなくあなたを幾度も幾度も私が傷つけた。
私が謝るから、守ってあげるから、絶対安全だから、思いきり泣いて。
涙が止まったら、思いきり笑って、心から幸せで愛だけで満たされて、私の前で遊んで、踊って、本を読んで、かわいい服を着て、好きなことをしていてね。
リラ、叫んだね。
すごく死にたい気持ちなんだね。
寒い? すごく震えているね。熱も出ているね。
ブランケットをたくさんもってきたから、ヒーターの前に座って暖かくしようか。私も隣にいるからね。
大丈夫、お姉さんは慌てたり、あなたの気持ちを変えようと言い聞かせたりしないよ。リラの気持ちが一番大事。いつも、素直な気持ちを遠慮せずに言ってくれればいいんだよ。
リラが大丈夫、もうつらくない、何かがんばれる、って言うまで、ずっと待ってあげようね。
リラ、リラの本当の気持ち教えてくれてありがとう。私とても楽になった。
いや、それより、リラにごめんねって言うのが一番大事なのに……
まずその包丁を置いて……あなたの右手に握られている包丁を。今もあなたはそれで私を知らないうちに刺しているんだよ。それをどこかに捨ててから私のそばにきて寄り添おうとして。やっと振り向いてくれたのはうれしいけど、それでも毎日私を刺してるから、すごく痛い。
誰かがあなたにひどいこと言ったからって私に向かって走って思いきり刺すのはやめてくれない? ほんとに私は意味がわからないの。あなたと私は加害者の男とバタード・ウーマンみたい。自分が落ち着いたら、私を傷つけたのをなかったことかのように振る舞う。私はいつだって怯えてる。いつ刺さってくるかわからない次の乱暴にふるえながらかまえてる。
リラ、あなたは本当に幼い小さい子どもなのに、どうして、死にたい気持ちですごく落ち込んだりするんだろう。もちろん、何も言わずに寄り添っていたい。いつか教えてね。
リラに、教えてくれてありがとう、と伝えるとき、リラからは、喜びや安堵ではなく、「気づくのが遅すぎるよ」という怒りが伝わってくる。
顔向けできないほど、私はリラを傷つけ続けてきたんだ。軽々しく抱きしめるよりも、切実に謝りながら、一歩ずつ近づこうリラが私の誠意を信じ、「もう傷つけられない」という安心感を感じてくれるまで。
リラ……私たち、やり直せるかな…?
大丈夫、まっさらに、やり直せるよ。私は味方だよ。
小さいリラはそう言いながら私を抱きしめてくれた。
(続く)
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